出来上がったプレゼンスライドを見て、
いいのか悪いのかわからない人は
それが映画館のスクリーンに映し出されたとしても
構わないかどうか考えてみればわかりやすい。
プレゼンは、ほとんど映画だと言っていい
素晴らしい映画は誰が見ても感動するものだ。
プレゼンの本はそのターゲットによって書いてあることがバラバラだが、
映画の手法を学べばプレゼンに使えることがたくさんある。
例えばシナリオをどう書くべきなのか
この本には
「下読みを想定して台本を書け」
と、ある。
下読みとは、
何百何千と大量に送られる応募作品から、
審査員に手渡す本を選別する役目の人たちだ。
彼らは疲れている。
たくさんの大して面白くもない台本に疲弊している。
その人たちが感動しなければ、
世に出ることは決してない。
しかし、下読みさんは探し求めている。
素晴らしい台本を。
出だしで掴み、
その次の行で掴み
その次、その次、その次、と
グイグイ引っ張っていくべきだ。
読み進めてもらうこと
読み切ってもらうこと
このために感情からセリフを書くことだと。
鮮烈にデビューした村上春樹さんのデビュー作
風の歌を聴け
![](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/8704/9784062748704.jpg?_ex=128x128)
![](https://prevo.design/wp-content/plugins/yyi-rinker/img/arrow-right.png)
初版本は現在20446円で販売されている。
その出だしはこうだ。
「完璧な文章などといったものは存在しない。
完璧な絶望が存在しないようにね」
下読みの人が共感する出だしだ。
戦略なのか
それとも
後に続く文章で納得させられるのか、
確認をするために
私たちは読み進める。
そこからは、
長い間小説を書いて書いて書きまくってきた人の口からしかでないと思われる言葉で埋め尽くされていく。
「3日3晩書き続けたたものを破り捨てることもある。
1週間全くかけなくなることもある。」
もはや主人公の「僕」と
作家本人を重ねたプレゼンの始まりだ。
これが、
村上春樹さんのデビュー作。
作品に共感しながら、
作家の凄さを知ることができる。
私たちの作品はどうあるべきだろうか。